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2006/07/23

昼酒御用達店?

平成18年7月18日(火)

酒蔵 柴善

先日平塚の七夕を見に行ったとき見つけたこのお店。見るからに親父さんたちがたむろしてきそうな味わいです。どうしても気になったので行ってみました。

取り合えづ予備知識をと思い、ネットで調べてみるにほとんどヒットしない。かろうじて某ブログに店の名前と朝6時くらいからやっている居酒屋、との件を発見しただけ。行ったら休みなんてことは避けたいので、営業時間と休み位は知っておきたいと思い、七夕のとき撮った写真を頼りに調査開始。まづは素直に店の名前から電話番号を104にて聞いてみたが、該当する店は登録なしとのこと。んー、困った。写真をみてみると、店名のほか「中澤酒造直売」とある。ネットで中澤酒造(松田にある酒蔵。松美酉が主力らしい。ちなみに滋賀にも同じ名前の酒造所がある。)の電話を調べ、早速聞いてみた。

「あのー、平塚の駅前に居酒屋さんやってますよね?」

「ああ、ありますね。」

「えっと、あのお店はそちらでやられてるんですよね?」

「いえ、違いますよ。」

「ん??おたくじゃないんですか?」

「ええ、違います。」

仕方なく電話を切った。どういうことだろう?確かに看板には「中澤酒造直売」とある。なんか変だなぁ?もう少し突っ込んで聞いてみよう・・・。再度電話。

「すいません、先ほどかけた者ですが、平塚のお店に「中澤酒造直売」って書いてあるんですが、どういうことでしょう?」

「あそこは、地元酒屋さんがやっているみたいですよ。」

「え?そうなんですか?なんていうお店ですか?」

「中沢商店っていいます・・・。」

礼を言って電話きる。んー、つーことは中澤酒造じゃんくて、中沢商店の直売ってことかいな?さっそく104で電話番号を聞き中沢商店へ電話してみる。

「あのー、駅前の柴善というお店はおたくでやられてるんですか?」

「ええ、そうですよ。」

とややぶっきらぼうなおばはんの声。

「えっと、何時から何時までやってるんですか?」

「10時から7時です。」

「お休みは?」

「ありません。」

「あ、ありがとうございました。。。」

ブログにあった朝6時くらいというのとはちと違うが、それでも10時から呑める店は貴重な存在。兎に角行ってみましょう。

雨模様のこの日、平塚に着いたのが昼すぎ。ちょっと街を散歩してから、いよいよ入店してみた。店の場所は平塚駅を北側へ出て、ロータリーを左へまわり、ファーストキッチンの角を左へ曲がればすぐそこにある。時刻は午後1時少し前。開け放たれた入り口にかかった暖簾を掻き分ける。店内は左右逆になるL字型のカウンターのみで、想像通りの古く、塩梅よくうす汚れた(失礼)昔ながらのお店だ。賑やかで近代的になっている商店街の中、こうした空間は奇跡的とも言える。手前の席から4,5名の御仁が陣取りすでに機嫌よくやっていて、奥の方へカニ歩きで進む。破れた丸いすに腰掛けると、年配のおやじさんが飲みものを聞いてくる。短冊メニューは背中の壁に貼られているので、ちと見にくい。他の御仁を見ると、ほとんどが焼酎のようだが、いきなりもなんなので、まづはビールをいただく。大瓶で600円だから安くも高くもない。つまみの種類は少ないく、焼き鳥(3本300円?)、冷奴(280円)、落花生、おしんこなどで、面白いのはトマトともろきゅうがあるのだが、いずれも値段は時価になっているところ。高級すし屋や、料理屋などで見かけるが居酒屋さんで、しかもトマトときゅうりが時価って正直ですよね。野菜は季節やその年によって、値段がびっくりするほど違いますもん。で、まづは焼き鳥を3本。種類はカシラ、レバー、シロ、タンがあるらしいが、ミックスでもいいというので、カシラとレバーとシロを1本づつたのむ。あとヤッコもおねがい♪

さて人心地ついてみると、隣のお二人はなにやら料理の話で激論してますよ。すぐ隣は常連の70がらみの大工さんらしいおやじさんで、その隣にいるのが50ちょいのおにいさん。話っぷりから二人とも結構出来上がってる様子。このお兄さんはどうやら中華のコックさんらしいが、大工のおやじさんの方が知識が勝っている。煮魚の作り方はこれこれ。麻婆豆腐の豆腐は木綿か、絹か、はたまた事前に豆腐は湯通ししなければダメだとか、果ては片栗粉と小麦粉の使い分けやら、レバーの処理の仕方やら、兎に角詳しい。お兄さんたじたじ(^^; しかしこのおやじさんただ者ではないのかも?こういう酒場の常でこのおやじさんとも少し話をしたのだが、毎日ここへ通っているとか?!うらやましぃ(笑)

さてしばらくすると、昼休みだったらしいお店のお母さんも帰ってきました。で、よくよく聞いてみるとこのお店、朝は7時くらいから夜はだいたい5時くらいまでで、休みも水曜日だとのこと。電話で聞いたおばはんは「柴喜」でなく中沢商店の営業時間を言ったのかな?ま、これで営業時間と休みはわかった。しかし朝から夜までやる酒場は何軒か知っているが、夕方5時に閉めてしまうお店とは(笑) これって平塚競輪があるからかどうか、因果関係は分からないものの、まさしく昼(朝)呑み専門のお店ですな!

途中飲み物は焼酎に切り替える。コップ1杯300円。別の大き目のコップに氷をいれて出してくれる。他の御仁が飲んでいるのがこれだな。カウンターの上には氷入りの水が用意されているので、あとは好みでそれを使えばいいのだ。いいなぁ、このお店。さらにおしんこを頼むと今日はないとのことなので、例のもろきゅうを頼んでみた。明日は休みだからと安くだすよとのこと。金沢の???味噌(失念)を特別に♪添えてくれて200円だった。この味噌がかなりうまい。隣のおやじさんにも一口あげると、味噌よりこのきゅうりのうまさについてひとしきりたれる。やっぱりただ者ではないのかも?? さて、よくよくお店の中を見てみると、お酒は「松実酉(まつみどり)」がおかれている。んーつまり看板は、中澤酒造のお酒を出してますよと言ったニュアンスなんだろうか?これについては聞きそびれたが、ちょっと気になる。今回はこのお酒は呑まなかったが、次回の課題としよう。店のおやじさんもおかあさんも愛想がなさそでありそで、親切な対応。このさりげなさがまた良かった。お気に入りの上位に入りそうだ!

さてきょうはこの辺でとお店を出る。実はこの裏手には立飲みのお店と、ホッピーの看板が掲げられているお店があるのだ。これも七夕の時にチェックしていた。この日行って見ると立ち飲み(○喜)はまだ営業前。中をのぞくと綺麗な感じなのでネオ立ち飲みかな?そしてホッピーの看板のお店はどうやら、平塚系焼肉大衆の総本山?かと思われる。「どさん娘ラーメン」の看板が目立つが、勿論ジンギスカンの方がメイン。よっぽど寄ろうかと思ったが、今から(14時ころ)焼肉では後が続かないと思い断念。このあと、横浜から野毛へ向かう・・・(^-^)

平塚。いままでノーチェックだったが、他にも気になった鳥竹やら、2,3度行ったことのある「タンメンのお店(ラオシャンまたは、老郷)」なんかもあり、1日遊べそうである。いずれまた探検に行こう(笑)

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コメント

「柴善」という立ち飲みやは以前から僕も気になっていました。
僕は昭和44年頃から平塚に住んでいます。
今は海外在住です。
僕は一度も「柴善」には入ったことはありません。
いつも店の前を通り過ぎるだけでした。
でもずっと気になっていました。
このブログを読んでいろいろ謎が解けました。
どうもありがとうございます。
今度、日本に一時帰国した時に行ってみようかと思います。

投稿: ラマセンのトシ | 2009/12/08 04:07

ラマセンのトシ様、遠く海外からのコメントありがとうございます。
「柴善」は良い意味で時代に取り残された、あの昭和の空間だと思います。
まさにタイムスリップです。
帰国されここを尋ねれば、日本のあの時代を偲ばれるかもしれませんね(^^ゞ

勝手な意見としては・・・
このお店へ行く際はこれからの予定もなく、ただボーッとしていられる余裕がある時がお奨めかも。なにしろ時間の流れがゆるやかですから♪

あ、それと・・・この店は立ち呑みではなく、座り呑みです。。。(^^ゞ

投稿: むー | 2009/12/08 22:35

残念なことに「柴善」は2012年7月末に
閉店したようです。
先日、見に行ったらラーメン屋に
なっていました。
ラーメン屋の前は「東京チカラめし」
だったようです。
移り変わりが激しいですね。

投稿: ラマセンのトシ | 2016/08/28 13:34

ラマセンのトシ様、こんにちは。
柴善の閉店した情報はどこかで聞きました。
残念ですよね。
ああいった、昭和の空気がそのまま漂っていたお店は国宝級なんですけどね。

あの場所はいまやラーメン屋さんですか。
やっぱり時代には勝てないのでしょうか?

コメントありがとうございました!

投稿: むー | 2016/08/30 20:33

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